シリアの古代都市パルミラ、ISISが再侵攻 政府軍撤退
シリア中部パルミラの古代都市遺跡(写真:AFP)
(CNN) 古代都市遺跡で知られるシリア中部パルミラに、過激派組織ISIS=「イラク・シリア・イスラム国」が再び侵攻していることが分かりました。現地の活動家団体が10日、ソーシャルメディアを通して報告しました。
パルミラは昨年5月にISISに占領されたが、今年3月末にはシリア政府軍が奪還していました。同団体によりますと、ISISは遺跡が集中する市北部や北西部を再び占領。迫撃砲やロケット弾で古代の要塞などを攻撃し、軍の倉庫や周囲の丘陵を掌握しました。近郊では10日午後、激しい戦闘の末に政府軍とイスラム教シーア派民兵の部隊が撤退したということです。在英のNGO=非政府組織「シリア人権監視団」は、古代の建造物が機関銃で激しく攻撃されていると伝えました。
パルミラには世界遺産に登録された古代遺跡があります。ISISは占領中、遺跡の保護に携わっていた専門家を殺害し、神殿や凱旋門、イスラム教の聖地などを破壊しました。